motowakaの備忘録

毎度ご無沙汰いたしております

転載

太閤山ビエンナーレ2013 来場者の意見から

太閤山ランド内の各所で、富山の元気な作家たち50人が意欲あふれる作品を発表した太閤山ビエンナーレは、8月31日で好評のうちに初回の幕を閉じた。作家たちの手づくりによるこの展覧会は、もちろん展示内容も優れていたが、来場者アンケートでは「大変よい」…

「パレット」 高田 誠(1913〜1992)

ひとつの名画が完成するまでに、画家の絵筆は何百、何千回も、画面とパレットの間を往復します。パレットは、いわば画家の分身。そこには巨匠たちの創作の秘密が隠されています。 日展の理事長も務めた高田誠(日本藝術院会員、文化功労者)は、山麓に抱かれ…

「清原啓一回顧展 新花鳥画への道程」―時代を映す装飾性

まさにこの稿を書いているさなかに清原先生の訃報を聞いた。信じがたい思いで胸がいっぱいである。“群鶏の画家”として知られた清原先生は、実に勤勉な画家であった。始終動き回って、描くに苦労の多い鶏を画題として半世紀以上。会場には、生涯の画業から選…

「日本近代洋画のあけぼの」展(高岡市美術館)

この展覧会こそは今秋、高岡市美術館で開催されると聞いて以来、一人の洋画ファンとして、実際に見るのを楽しみに待っていた企画である。 「日本近代洋画のあけぼの」は、江戸から明治へという時代の激動期に、正面から向き合った画家たちの、いわば魂の遍歴…

深遠なる幻視―森弘之の絵画の魅力

《越の凾人(こしのかんじん)》―辞書によれば、「凾人」とは具足師(ヨロイを作る人)のこと、「凾」とは箱(あるいはヨロイ)のことである。画題の絵解きを自らのタブーとしていた森弘之の、不可思議な魅力に充ちた幻想的な画業を代表する《凾人》シリーズ。…

新花鳥画への道程―清原啓一の画業にふれて

はじめに 日本人が描く油絵を「洋画」と呼ぶ慣わしは、本来、少し変なものなのだが、多くの人にとってはどうでもかまわないことなのか、どうも、このまま残っていってしまうもののようである。 今日、いわゆる洋画は、日本画以上に人々から身近に親しまれる…