縄文土器とダダ、シュルレアリスム・・・?
古くからの友人に埋蔵文化財の修復に携わっている人がいます。
文化財(美術品、工芸品等)の保護、保存修復活動は文化財保存支援機構へ。
縄文土器をアートとして見る事を、修復の立場から発言、行動していて、最近なかなかに活躍中。友人として、とても誇らしく思ってます。
その彼が、今度台湾で縄文土器について講演をすることになったんだそうで、何やら縄文土器と、ダダやシュルレアリスムを関連付けて話してみたいということらしい。それで、ダダ、シュルレアリスムについて聞かれたんだけど、いろいろ引用したり、長くなるので、ここに書くことにします。(ダダやシュルレアリスムについては、ぜんぜん専門家じゃないので、少し恥ずかしいんですが。)
今日は代休なので、時間だけはあるけど、手元に何の資料もないので、そのへんもご容赦ください。
台湾の歴史 - Wikipedia
ちなみに埋蔵文化財については、さらにさらに門外漢だけど、台湾の先史時代というのは、よく分かってないことが多いんですね。日本で知られてないだけなのか、現地へ行って面白いことが分かったら、是非教えて欲しいと思っています。
ダダイスム(Dadaïsme)とは、1910年代半ばに起こった芸術思想・芸術運動のことである。単にダダとも。第一次世界大戦に対する抵抗やそれによってもたらされた虚無を根底に持っており、既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする。
ダダイスム - Wikipedia
「ダダ」は「ダダ」であって「ダダイスム」じゃないというのを聞いたような気がするけど、そこまで詳しくないのでここではパス。(笑)
初めての世界大戦=近代戦争の惨状を目の当たりにして、西欧近代的な文明観そのものへの批判、否定が基礎になっている、というので一般的理解はよいと思います。
シュルレアリスム(フランス語: Surréalisme, スュレアリスム)は芸術の形態、主張の一つ。超現実主義ともいう。超現実とは「現実を超越した非現実」という意味に誤解されがちであるが、実際は「ものすごく過剰なまでに現実」というような意味である。超現実とは現実(約束事などに捕らわれた日常世界)に隣接した世界、またはその中に内包された世界で、現実から離れてしまった世界ではなく、夜の夢や見慣れた都市風景、むき出しの物事などの中から不意に感じられる「強度の強い現実」「上位の現実」である。
シュルレアリスム - Wikipedia
なお、ダダとシュルレアリスムの関係であるが、ダダに参加していた多くの作家がシュルレアリスムに移っているという事実からもうかがえるように、既成の秩序や常識等に対する反抗心という点においては、思想的に接続している。しかし、否定や反抗に徹して、極端な自己破滅や自縄自縛的な自己否定に向かわざるを得なかったダダと異なり、前述の精神分析的な面を取り入れることにより、いい意味でも悪い意味でも、「ソフィスティケイト」されたシュルレアリスムは、ダダとは一線を画す「大人の芸術」といえよう。
シュルレアリスム - Wikipedia
「超現実」も難しい・・・。人間の「意識」で捉え得るのが「現実」だけど、(「心のなかの意識でない或る領域」*1であるところの)「無意識」によって捉えられるものっていうようなことですね。
フロイト先生*2の精神分析という科学的なアプローチを基礎に置き直しているあたりは、西欧近代へのアンチテーゼとしてはダダより後退しているんだけど、それを「大人の芸術」と呼ぶのはどうなんだろうか?まあ、いいや。
シュルレアリスム - Wikipedia
- 自動筆記やデペイズマン、コラージュなどを使い、自意識が介在できない状況下で絵画を描くことで、無意識の世界を表現しようとした画家たち。彼らの絵画は具象的な形態がなくさまざまな記号的イメージにあふれ、抽象画に近づいてゆくことになる。マックス・エルンスト、ジョアン・ミロ、アンドレ・マッソンら。
- 不条理な世界、事物のありえない組み合わせなどを写実的に描いた画家たち。夢や無意識下でしか起こりえない奇妙な世界が描かれたが、彼らの絵の中に出てくる人物や風景はあくまで具象的であった。サルバドール・ダリ、ルネ・マグリットら。
シュルレアリスムの絵画の大きな潮流は、わが友人殿もご存知のとおり、この二つ。もっぱら絵画ですね。
縄文土器に絡めて、あえて立体的なほうで考えていくと、これはむしろダダにさかのぼって繋がる気がするけど、いわゆる「オブジェ」とか「アッサンブラージュ」*3のほうになっていくんだと思います。
しかしWikipediaのシュルレアリスムの記載で、「日本におけるシュルレアリスム」のところに岡本太郎*4の名前がないのは、まだまだ偏見があるのかなー?縄文土器と、シュルレアリスムを結びつけて語るとすれば、やっぱりタロー先生の存在を除いては語れないと思います。
「人類は進歩なんかしていない。何が進歩だ。縄文土器の凄さを見ろ。ラスコーの壁画だって、ツタンカーメンだって、いまの人間にあんなもの作れるか」
「縄文の美 岡本太郎とその周辺」(PDFファイル)
反近代まっしぐら!(笑)
やっぱりタロー先生の思想こそはダダ直系で素晴らしいと思います。
台湾で岡本太郎の名がどういうふうに知られているのか、少し不安もありますが、ここは正攻法で岡本太郎を軸に、ダダ、シュルレアリスムと縄文を語ってこられてはと思いますが、如何?
- 作者: 岡本太郎
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